動画 基本
情報この章の要点
動画は「撮影・編集・ナレーション・字幕」という工程の塊で、AIは工程ごとに効く道具が違います。1つの万能ツールを探すのではなく、自分の動画のどの工程を短縮したいかから逆算するのが本章の型です。
そもそも、動画で伝えるべきか
動画は、このカタログの中で最も工数がかかる制作物です。手を付ける前に、1つ確認してください。その内容は、本当に動画である必要があるかです。
「動画のほうが伝わりそう」ではなく「動画でないと伝わらない」ものに絞る。これだけで、かける時間が大きく変わります。
AIで、どこまで作れるか
動画制作は工程の連続です。AIはそのほぼ全工程に入り込めるようになりました。
| 工程 | AIができること |
|---|---|
| 台本・構成 | テーマと尺から構成案・セリフ案を作る |
| 映像素材 | テキストや静止画から短い映像を生成する |
| 出演 | AIアバターが台本を読み上げる(撮影不要) |
| ナレーション | 音声合成で読み上げる(声優不要) |
| 編集 | 字幕生成・不要な間のカット・ハイライト抽出 |
ここで押さえてほしいのは、動画の質を決めるのは台本であり、台本の骨子だけはAIに丸投げしないことです。映像・音声・編集の実装はAIに任せられますが、「何を伝えるか」まで任せると、どこかで見たようなありきたりの動画になります。
どのツールから始めるべきか
動画制作は「何を作りたいか」でツールの選び方がまったく変わります。まずは以下の表で、自分の目的に合ったものを確認しましょう。
| こういうときは | おすすめツール |
|---|---|
| まず台本・構成を固めたい(準備工程) | 1. ChatGPT/Claude で台本を作る |
| イメージ映像・ショート動画を手軽に作りたい(テキスト/画像から生成) | 2. Google Veo/Runway/Pika/Kling AI |
| 顔出しせずに解説動画を作りたい(AIアバターが読み上げ) | 3. HeyGen |
| 既存動画の編集を自動化したい(字幕・カット自動化) | 4. CapCut AI |
| 日本語ナレーション動画を低コストで作りたい(音声合成+テロップ) | 5. VOICEVOX+テロップ合成 |
| データを流し込んで動画を自動量産したい(コードでレンダリング) | 6. Remotion 等 |
どの目的であっても、入り口は1(台本づくり)です。台本さえ固まっていれば、2〜6のどのツールに持ち込んでも成立します。各ツールの具体的な使い方は 事例集 へ。
このジャンル特有の2つの前提
① コストはクレジット制が主流。 映像生成系は「生成1回ごとに消費」する課金が中心で、試行錯誤を重ねると想像以上にかさみます。まず少量で試し、量産の前に1本あたりのコストを見積もってください。
② ツールの栄枯盛衰が最速。 動画AIは登場と撤退のサイクルがとくに速い分野です(2026年4月にはOpenAIのSoraが、アプリ公開から約半年でサービスを終了しました)。特定ツールへの依存を深くせず、台本と構成の型を自分の手元に資産として残すことが、乗り換えへの一番の備えになります。
実践|最初の一歩
例コピペで試す:動画にする価値の見極めから
「[伝えたい内容]を動画にするか検討しています。視聴者は[ターゲット]、目的は[見た人にしてほしい行動]です。①この内容は動画・スライド・文書のどれが適しているか理由つきで判定し、②動画が適している場合は、尺の目安と3〜5パートの構成案を出してください。」
「作るかどうか」の判定からAIに手伝わせる。この入り方なら、工数の大きい動画づくりで空振りすることがなくなります。
全体の心構え
- 著作権・肖像権・BGM利用規約は毎回確認する
- 生成AI動画は「実在の人物に似た顔が生成されるリスク」「学習データの権利関係が未解決の部分がある」「無料のBGM・効果音素材でも商用利用の範囲外になることがある」といった論点を抱えています。一度確認して終わりにせず、公開のたびに最新の規約を確認する習慣をつけましょう。
- ツールの栄枯盛衰が激しいと心得る
- 2026年4月にはOpenAIの「Sora」が、アプリのローンチからわずか半年でサービスを終了しました。特定のツールに業務を依存させすぎず、台本や構成といった「指示の型」を自分の手元に資産として残しておくと、ツールの乗り換えが発生しても被害を最小限にできます。
- 台本・構成はAI任せにしすぎない
- AIは映像そのものを作るのは得意ですが、「何を伝えるか」まで丸投げすると、どこかで見たようなありきたりな動画になりがちです。台本の骨子や伝えたいメッセージは自分の言葉で決め、AIには「表現の実装」を任せる役割分担にすると、動画に自分らしさが残ります。
具体的なツール別の作り方は 事例集 へ。