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スライド 基本

情報この章の要点

本章は、チャット入力やUI操作で完結するスライドツールに加え、Markdownで書いて組む Marp までを扱います。独自のスライド生成の仕組みごと作り込みたい場合はアプリ(バイブコーディング)の範囲です。


先に決めること:「話す資料」か「読ませる資料」か

スライドをAIに頼む前に、用途を1つ決めてください。

  • 話す資料(セミナー・プレゼンの投影用):1枚1メッセージ。文字は少なく、話の順番がすべて
  • 読ませる資料(提案書・報告書として送る用):それだけで意味が通る文字量が要る

この区別を伝えずに「スライドを作って」と頼むと、AIは中間の"どっちつかず"を返してきます。逆に、用途と枚数を最初に指定するだけで、生成の質は目に見えて変わります。

AIで、どこまで作れるか

構成案・見出し・本文・デザインまで、体裁の整った初稿が数分で出てきます。「白紙のPowerPointを前に固まる」時間は、もうなくせます。

ただし、スライドは構成が9割です。AIが得意なのは「決まった内容を枚数に割り付けて整える」ことで、「何を・どの順で・どこまで話すか」の判断は渡した側の仕事として残ります。だから、いきなり完成形を作らせるより、まず構成案を出させて自分で並べ替えるほうが、結果的に早く仕上がります。

もう1つ。AIの初稿は見た目が整っている分、中身の薄さに気づきにくいという副作用があります。デザインの確認と中身の検証は、意識して分けてください。

どのツールから始めるべきか

スライド制作は「何を優先したいか」で選ぶツールが変わります。以下を目安にしてください。

  • Claudeで骨子から仕上げまで一気に作りたい → Claude Design
  • 普段使っているPowerPoint/Googleスライドから離れたくない → Copilot in PowerPoint/Gemini in Google スライド/Claude for PowerPoint
  • 見た目より先に、話の骨子を固めたい → ChatGPT/Claudeでアウトライン設計
  • 手元の資料(PDF・議事録等)を根拠にスライドを作りたい → Gemini Notebook(旧NotebookLM)
  • 一発でそれっぽい見た目が欲しい → Gamma
  • 既存のブランド(ロゴ・配色・フォント)に合わせたい → Canva Magic Design
  • Markdownで構造的に書いて、体裁を統一したまま量産したい → Marp

迷ったら、まずChatGPT/Claudeで骨子を固めてから、見た目は普段のツール(PowerPoint/Googleスライド)で仕上げる組み合わせが、覚えることが少なく堅実です。各ツールの具体的な使い方は 事例集 にまとめています。

完成までの最短ルート

  1. 用途・相手・持ち時間を1行で書く:「誰に・何分で・何をしてもらう資料か」
  2. 話したい材料を箇条書きで吐き出す:順番も体裁も気にせず、伝えたいことを全部書き出します
  3. AIに構成案(枚数と各枚の見出し)を作らせる:本文はまだ書かせません。順番と過不足をここで自分が判断します
  4. 構成が固まってから本文・デザインを生成する:使うツールに構成を渡して一気に形にします
  5. 数字と固有名詞を検証して仕上げる:実績・金額・名称はAIに推測させず、自分の実数に差し替えます

手順3と4を分けるのがコツです。構成と本文を一度に頼むと、直しがスライド全体に波及して、かえって時間がかかります。

実践|最初の一歩

コピペで試す:構成の壁打ち

「[誰]向けの[テーマ]の資料を作ります。持ち時間は[◯分]、ゴールは[聞き手にしてほしい行動]です。話したい材料を貼るので、①削っていい要素、②スライドの枚数と各枚の見出し、③冒頭のつかみ案を2つ、出してください。本文はまだ書かないでください。 ―――(以下に材料の箇条書きを貼り付け)」

出てきた構成に「自分ならこの順で話すか?」と一度突っ込みを入れてから本文生成に進む。この一手間が、ありもの感のない資料とAI臭い資料の分かれ目になります。

メモ図解・チャート単体が欲しいときは

Napkin AIは、スライド一式ではなく「1枚の図解」を作るツールです。フロー図や比較図だけが欲しい場合は、画像編で紹介しています。

実例|私の場合:自作テーマ+Marpでセミナー資料を量産

私のセミナー資料は、Marp(Markdownで書くスライドツール)で作っています。最初にAIと一緒に配色・レイアウトをCSSのテーマとして作り込んでおき、以後は中身のMarkdownを書くだけで、体裁はテーマが保証してくれる仕組みです。

スクリーンショット - 自作Marpテーマで作ったセミナー資料

実際のセミナー資料の表紙です。この見た目は1文字もデザイン作業をしていません——テーマに任せています。

進め方は本文の手順3・4の分離そのままです。まずAIと構成(枚数と各枚の見出し)だけを固め、確定してからMarkdownに流し込む。デザインを毎回考えなくてよいので、直しはすべて「話の中身」に集中できます。資料を繰り返し作る人ほど、この「テーマを一度作って使い回す」方式の効きは大きいです。

全体の心構え

  1. 「見た目」と「中身」の検証を分ける
    • AI生成のスライドは見た目が整っている分、内容の薄さや事実誤認に気づきにくくなります。生成直後に「デザインOK」で満足せず、必ず自分の言葉・実際の数字で中身を確認してから使いましょう。
  2. 一次情報(自社の実績・数字)は自分で入れる
    • どのツールも、渡していない情報は作れません。自社の実績・クライアント名・具体的な数字は、AIに推測させず自分で正確な値を入力してください。特に外部に出す資料では数字の鮮度確認が欠かせません。
  3. ツールを乗り換えるより「渡す情報の質」を上げる
    • 生成結果が薄いと感じたとき、別のツールに乗り換える前に、渡しているテキスト・アウトラインの情報量を見直すと改善することが多いです。良いスライドは、良い元原稿から生まれます。

具体的なツール別の作り方は 事例集 へ。