基本設定をする
情報この章の要点
1-2で使うAIを選んだら、指示のコツや活用シーンに進む前に、済ませておきたい設定が4つあります。ここを飛ばしても使えますが、済ませておくと「毎回同じ前提を打ち直す」「意図せず学習に使われる」といった小さなストレスがなくなります。各社の設定画面は変わっていくので、一度きりで終わらせず、数か月に一度は見直すくらいの気持ちでいてください。
なぜ最初に設定を済ませておくべきか
チャットAIは、箱から出したままでも使えます。ですが、初期設定を数分すませておくだけで、日々の使い勝手が大きく変わります。
- カスタム指示を設定すれば、毎回の自己紹介が要らなくなります
- メモリの扱いを知っておけば、覚えられたくない情報を残さずに済みます
- 学習オフ設定を確認しておけば、入力した内容が意図せず学習に使われる不安が減ります
いずれも一度設定すれば、あとはずっと効き続けます。最初の数分に時間をかける価値があります。
注意手順は変わります
各社とも設定画面は頻繁に更新されます。以下は2026年7月時点の骨格です。メニュー名や場所が変わっていたら、各社のヘルプページで最新の手順を確認してください。
1. カスタム指示・パーソナライズ設定
「あなたは誰で、どんな仕事をしていて、どう答えてほしいか」をあらかじめ登録しておく機能です。設定しておくと、毎回の会話で前提を打たなくても、その前提を踏まえた答えが返ってきます。
| サービス | 設定の場所(目安) |
|---|---|
| ChatGPT | 設定 → パーソナライズ(Personalization)→ カスタム指示 |
| Claude | 設定 → プロフィール(Profile)→ カスタム指示 |
| Gemini | 設定 → Gementへの情報(自分について)/保存された情報 |
例コピペで試す:カスタム指示の見本
「私は[職業・立場]です。[事業内容や担当業務]をしています。回答は結論から先に、敬体で、専門用語を使うときは簡単な説明を添えてください。」
これは③カスタムAIで扱う「1体のカスタムAIを作る」こととは別物です。カスタム指示は今使っている1つのチャットに前提を持たせるだけの、いちばん手前にある設定だと考えてください。
2. メモリのオン/オフ・内容の確認と削除
最近のAIチャットは、過去の会話の一部を「メモリ」として覚えておき、次回以降の会話に活かす機能を持っています。便利な一方、覚えられたくない情報が残っていないか、時々確認する習慣が要ります。
- 確認する:設定内の「メモリ」「保存された情報」といった項目から、AIが何を覚えているかを一覧で見られます
- 消す:不要な記憶は個別に削除できます。会話ごとリセットしたい場合は、メモリ機能自体をオフにする選択肢もあります
- オフにする場面:他人と共有する端末で使うとき、機密性の高い相談をするときは、その会話だけメモリをオフにするのが安全です
会話をまたいで覚えておいてもらう仕組みそのものの考え方は、この先のメモリの基本で扱います。
3. 学習に使われない設定(オプトアウト)
入力した内容がAIサービスの学習に使われるかどうかは、サービスと設定次第です。この点はAIセキュリティの基本で詳しく扱っていますが、初期設定の一つとして、ここでも触れておきます。
多くのサービスは、設定内の「データコントロール」「プライバシー」といった項目から、学習利用をオフにできます。使い始める前に、一度は必ず確認してください。個人向け無料プランでは初期設定がオンになっていることが多く、あとから自分でオフにする必要があります。
4. モデルの切り替え方
同じサービスの中でも、複数のモデル(AIの頭脳にあたる部分)から選べるようになっています。日常のちょっとした相談は軽量モデルで十分ですが、長い文章の分析や込み入った作業には、上位モデルに切り替えると精度が上がります。
チャット画面の上部や送信欄の近くに、モデルを選ぶメニューが用意されています。迷ったら、まず標準モデルで試し、答えの精度が物足りないと感じたときだけ上位モデルに切り替える、という使い方で十分です。モデルごとの性格の違いは生成AI各社のツール紹介で紹介しています。
スマホアプリ・音声入力・Live機能を使った「移動中の使い方」は、設定というより使い方の幅なので、AI活用シーンにまとめています。
実践|最初の一歩
例今すぐやること
- 使っているAIチャットの設定画面を開く
- カスタム指示に、自分の立場と回答スタイルの希望を1〜2行だけ書いて保存する
- データコントロール(プライバシー)の項目を開き、学習オフ設定になっているか確認する
この3つだけで、今日から会話の質が変わります。残りの設定は、必要になったときに戻ってきて確認すれば十分です。