コラム:AIはコンテキストが9割

AIの回答が変わったのは、モデルが賢くなったからではありません。自社の情報をきちんと渡すようになってから、同じAIの回答がまったく違うものになりました。原因は渡していた情報の量と質でした。コンテキスト総論の「9割理論」を、経営者目線で掘り下げます。仕組みの説明はデータとつなぐに譲ります。
AIの性能ではなく、渡す情報の問題だった
2022年末にChatGPTを触り始めたとき、正直「思っていたほどではない」と感じました。当たり障りのない答えばかりが返ってくる。もっと賢いモデルが出れば変わるだろうと思っていました。
でも、変わったのは性能ではありませんでした。2025年9月ごろ、自分の会社の情報をきちんと渡すようになってから、同じAIの回答がまったく違うものになったのです。原因はAIの性能ではなく、渡していた情報の量と質でした。
コンテキストとは何か
コンテキストとは、AIが今、正しく判断するために知っておくべきことです。顧客リストや議事録そのもの(データ)ではなく、それをどう解釈すべきかという背景まで含めたものを指します。
会社の中の情報がコンテキストとして渡せていなければ、どれだけ賢いAIでも、正確な判断はできません。AIはあなたの会社の「今の状態」を、そのまま忠実に映し出す鏡です。賢い鏡でも、映すものが乏しければ乏しい像しか返ってきません。
モデルの差より、渡す情報の差のほうが大きい
世の中では「最新モデルはこれがすごい」「このプロンプトが効く」という発信をよく見かけます。それ自体を否定するつもりはありませんが、コンテキストが整っていない状態でモデルやプロンプトだけ磨いても、伸びしろは限られます。
実際、コンテキストさえ整っていれば、1世代前のモデルでも十分な回答が返ってきますし、同じ渡し方はどの会社のAIでも通用します。モデル選びに時間をかけるより、渡す情報を整えるほうが、投資対効果は高いというのが実感です。
気づくところから始まる
これまでは、情報が多少雑でも人間同士のやり取りでカバーできていました。AIエージェントに仕事を任せるようになると、そうはいきません。
AIに仕事を任せる前に、まず「自社の情報がどれだけコンテキストとして整理されていないか」を一度、正直に見てください。ここに気づくことが、AI活用の最初の一歩になります。
続きは、実際にどう渡すかを扱うデータとつなぐへ。会社の情報が整地前の状態だと感じたら既存データを整えるから始めてください。